パリのスタートアップ企業「ウィメン・ドライブ(Women drive)」が、女性による女性のためのタクシーサービスを開始した。男性ドライバーが多数を占める同業界で、女性が心地よく利用できるよう配慮されている。仏紙ル・フィガロなどが29日伝えた。
料金は1時間当たり50ユーロで、観光などに利用する顧客向けに8時間350ユーロの設定もある。ドライバーは女性のみで多言語での対応が可能なほか、買い物のコンシェルジュサービスも行う。車種は独高級車メルセデス・ベンツの「Cクラス」クーベで揃え、車内にはミネラルウオーターや化粧道具一式、タブレット端末が用意されている。将来的には他の都市にも事業を拡大する予定だ。
米市場調査会社ベネンソン(Benenson)・ストラテジー・グループの調査によると、米配車サービス大手ウーバー(Uber)に登録している米国人ドライバーのうち86%が男性。英国のタクシー運転手の98%が男性という統計もある。ウィメン・ドライブの創業者は、自らが男性ドライバーから受けたセクハラや不当な扱いに着想を得て起業。「タクシー業が男性だけの職業ではなく、女性が安心して乗車できる権利を持つことを証明したい」と意気込む。
女性向けの配車サービスは現在、英国や米国、オーストラリアなどでも展開されている。[労務]
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