イタリアで24日、中部を襲ったマグニチュード(M)6.2の地震から1年が経過した。最も被害が大きかったアマトリーチェ(Amatrice)では、地震発生時刻である午前3時36分に現地の犠牲者数と同数の239回の鐘が鳴らされた後、追悼ミサが行われた。ザ・ローカルなどが伝えた。
同地震は、震央付近のラツィオ州やマルケ州、ウンブリア州のほか、ローマやボローニャ、ナポリでも揺れを観測。倒壊した建物の下敷きになるなどして合わせて299人が死亡したほか、400人近くが重軽傷を負った。同地域では昨年10月と今年1月にも地震が発生しており、家屋や学校、病院、教会などの被害総額は235億ユーロに上るとみられている。
被災地では1年を経てなお復興の足取りは重く、住民から怒りの声が上がっている。伊政府はこれまでに61億ユーロ超の支援金を振り向けているものの、がれきの撤去や仮設住宅の設置の遅れが目立っている。非営利の環境保護団体レガンビエンテ(Legambiente)によると、これまでに撤去された瓦礫は全体の8.6%に過ぎず、240万トン相当の撤去作業が残っているという。
なおイタリアでは地震の規模に対する震災被害が相対的に大きく、この理由の1つに違法建築が挙げられている。イタリア政府統計局(ISTAT)は昨年、建築基準法などに違反する建築物が全体の20%近くに及んでいると指摘。南部ではこれが60%に達する地域もあると警鐘を鳴らしている。
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