英国の欧州連合(EU)離脱に伴い、フランクフルトのインターナショナルスクールに対する問い合わせや視察が急増している。ロンドンに拠点を持つ金融機関がEUの拠点をフランクフルトに移管することを続々と決めているが、異動する従業員の最大の関心事が子弟の教育にあるためという。ロイター通信が23日伝えた。
フランクフルトにはバイリンガルの学校が30校あり、合わせて約1万人が在籍している。このうち12校がインターナショナルスクールだが、同市の郊外にあるフランクフルト・インターナショナルスクールでは、例年では問い合わせの少ない夏季休暇中にブレグジットに絡んで問い合わせが週に3本程度あり、フランクフルトに拠点を移管する金融機関から既に9件の視察があった。
このため各校とも施設や教員の拡充を検討しているが、最終決定については先送りする例が多い。異動する金融機関の従業員が予想よりも少ない可能性があるほか、子弟をロンドンに残して単身赴任することも考えられるためだ。ちなみにフランクフルト・インターナショナルスクールの授業料は、年間約2万2,100ユーロと、ブリュッセルにあるブリティッシュ・スクールの約3万4,000ユーロよりもかなり低い。
フランクフルトに拠点の移管を決めているのは米シティグループやモルガン・スタンレー、英スタンダード・チャータード銀行などのほか、日本の金融機関では野村ホールディングスと大和証券グループ本社、三井住友フィナンシャルグループ、みずほ証券がある。ロンドンからフランクフルトに移る従業員は、向こう4年間で1万人に上ると見込まれている。[労務]
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