金融情報サービス会社IHSマークイットは23日、8月のユーロ圏総合PMI(購買担当者景気指数、速報値)が55.8ポイントとなったと発表した。低下するとの市場予想に反し、7月から0.1ポイント上昇。景気の「改善」と「悪化」の境目である50ポイントを50カ月連続で上回った。
ユーロ圏の製造業PMIは57.4ポイント。前月から0.8ポイント上昇し、過去6年超で最高を記録した6月の水準に並んだ。生産高と新規受注が共に加速し、雇用ペースも引き続き高水準だった。
製造業PMIの国別データを見ると、ドイツは59.4ポイントと大きく1.3ポイント上昇。フランスは55.8ポイントと0.9ポイント上昇し、過去76カ月で最高を記録している。
ユーロ圏総合指数のうち、雇用ペースは2月以降で最も減速。一方、新規受注は7月のペースを維持した。生産高はさらに大きく伸びている。仕入れ価格の上昇幅は拡大し、出荷価格の伸びも過去3カ月で最も大きい。
■サービス業は仏が不振
ユーロ圏のサービス業PMIは54.9ポイントと、7月から0.5ポイント低下。国別では、ドイツが53.4ポイントと0.3ポイント上昇した。一方、フランスは0.5ポイント落ち込んで55.5ポイントと、過去7カ月で最も低い。
IHSマークイットのアソシエートディレクター、アンドリュー・ハーカー氏は今回の結果を受け、2017年第3四半期(7~9月)の域内総生産(GDP)成長率が、第2四半期の0.6%からやや鈍化するとの見通しを示した。サービス業の減速が背景にあるが、製造業が力強く伸びて補っており、労働市場にも恩恵をもたらしているとした。
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