ドイツとフランス、イタリアは、欧州連合(EU)に、外国企業によるM&A(企業の合併・買収)の規制強化を要請しているもようだ。伊紙ラ・スタンパと経済紙イル・ソーレ・24オーレが、内部書類を元に、22日伝えた。
それによると、3カ国は欧州委員会に対し7月末、域外企業によるM&Aに対する審査を強化し、必要に応じてこれを阻止することを要請する書簡を送付した。イタリアのカレンダ経済振興相はこれについて、「経済保護主義を推し進めるのではなく、企業が欧州のルールに沿っているかを監視する機会を与えるもの」と説明。域内の市場規則に従わず、買収による互恵性を軽視する外国企業による買収案件はEUが阻止すべきと主張している。
こうした書簡の送付は2月に続いて2度目。今回の書簡は、具体的な国や企業には言及していないものの、直近の中国企業による欧州企業の買収を契機にまとめられたとみられる。対象には、全ての戦略的な企業に対する買収案件のほか、買収をしかける企業が国から資金を調達している場合も含まれる。
なおEU首脳は6月、ハイテクや防衛といった戦略的な分野におけるM&Aの審査強化を検討することで合意しており、9月にも措置が発表されるもよう。EU高官によると、EUは外国企業による投資を阻止する機構を作る意向はなく、そうした判断は加盟各国当局に委ねられる見通しだ。[EU規制][M&A]
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社NNAは一切の責任を負いません。