英国で今年1~7月に電力会社を切り替えた顧客が300万件を上回り、前年同期から14%増加したことが、エネルギー業界団体のエナジーUKが10日公表した最新統計で明らかになった。ただ、電力会社を切り替える顧客は全体の中ではまだ少数派で、大半の世帯が必要以上に高い料金を支払っているとの指摘もある。
7月単月では38万5,000件と、1年前から16%増えている。このうち、大手から中小規模の電力会社に切り替えた顧客の割合は34%に上った。ただ、最も多いのは大手から別の大手への切り替えで、全体の37%。中小電力会社間での切り替えは16%、中小から大手への切り替えは13%だった。
エナジーUKのローレンス・スレード最高経営責任者(CEO)は、「電力事業者の数はいまや50社以上に上り、顧客の引き留めや獲得競争がイノベーションや顧客サービスの改善を促し、料金を競争的水準に保っている」との見方を示した。
ただBBC電子版によると、価格比較サイトのUスイッチは、実際に電力会社の切り替えに踏み切る消費者は少数派で、しかも全世帯の約7割は割高な標準料金を支払っていると指摘している。
英国ではなお、エネルギー料金の上昇が続いている。ガス・電力大手セントリカの小売部門ブリティッシュ・ガスは8月上旬、家庭用電力料金を9月15日から12.5%引き上げると発表。その後、他の大手5社も同程度の値上げを行う意向を示している。Uスイッチによると、この結果、大手6社の電力・ガス一括契約顧客向け標準料金の年平均額は7~10%上昇する見通し。
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社NNAは一切の責任を負いません。