フランスの国民議会(下院)は9日、議員や閣僚による親族雇用を禁止する法案を412対74の賛成多数で可決した。違反者は3年以下の実刑と最高4万5,000ユーロの罰金が科され、報酬の全額返金を命じられる場合もある。
大統領選で当初、最有力候補だったフィヨン元首相が、働いた実態のない妻子に不正に給与を支払った疑惑で正式に訴追されたことを受け、マクロン大統領は同法案の成立を公約に掲げていた。
マクロン政権は公金横領疑惑などにより4閣僚が辞任し、組閣から約1カ月で内閣改造を余儀なくされた。 相次ぐ不祥事や労働法改正、国防予算の削減により急落した支持率を今回の法案可決で回復できるか注目される。
一方、マクロン大統領は妻ブリジットさんに正式な「ファーストレディー」の地位を与えるよう提案していたが 、8日までの3週間で市民から30万近くの反対署名が集まった。夫人の待遇と今回の法案推進がダブルスタンダードだとして反発を招いた形だ。政府の報道官はこれを受け、ブリジットさんのために憲法を改正したり報酬を用意したりすることはないと明言している。
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