独総合電機大手シーメンスは3日、第3四半期(4~6月)の純利益が14億6,400万ユーロとなり、前年同期比7%増加したと発表した。スペインの風力発電機大手ガメサとの風力タービン事業の統合に絡むコストを計上したものの、増益幅は市場予想を上回った。
売上高は8%増の214億1,300万ユーロ。デジタルファクトリー部門が18%拡大したほか、鉄道などを手掛けるモビリティー部門が14%伸びた。エネルギー管理部門と建築技術部門は共に5%増えている。ヘルスケア部門は4%のプラス。風力発電・再生可能エネルギーの新会社シーメンス・ガメサ・リニューアブル・エナジーは56%の増収だった。一方、主力の電力・ガス部門は12%減少。プロセス&ドライブ部門は3%減っている。
受注高は全体で198億2,400万ユーロと6%減少。電力・ガス部門やシーメンス・ガメサ・リニューアブル・エナジーなどで大型受注が急落したことが響いた。
産業向け事業(金融サービス部門以外の8部門)の利益率は10.4%と、0.4ポイント低下した。
シーメンスは通年について、産業向け事業の利益率が11~12%、1株当たり利益(EPS)は7.2~7.7ユーロになるとの見通しを維持した。また、同社の監査役会は、来年に任期を迎えるジョン・ケーサー最高経営責任者(CEO)を2021年まで延長することを決めた。
シーメンスは、2018年上半期にヘルスケア部門の新規株式公開(IPO)を検討している。企業価値は最大400億ユーロに上る見込み。同部門は主に画像診断機を手掛けているが、ヘルスケア市場の潮流が分子診断や患者のセルフマネジメントなどに移行しているためで、IPOによる調達資金を買収や投資に充てたい考え。[M&A][労務][環境ニュース]
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