欧州委員会は13日、欧州最後の原生林であるビャウォヴィエジャの森での伐採中止を求め、ポーランドを欧州司法裁判所に提訴するとともに、同裁判所に伐採を差し止める暫定措置を請求したと発表した。
この森はポーランド東部のベラルーシとの国境に広がり、太古の森が残っているとして国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産に登録されている。野牛のヨーロッパバイソンなど59種の哺乳類や250種を超える鳥類が生息している。
ポーランド政府は昨年3月、キクイムシの被害を食い止めるためとして、伐採可能な樹木の量を3倍に拡大することを決めた。これに対してユネスコや環境保護団体が反対し、欧州委も4月に伐採拡大を中止するよう求める意見書をポーランド政府に送付したが、同政府は伐採計画を進めている。
欧州委は、伐採の拡大はEUの生息地指令や鳥類指令に違反し、絶滅危惧種の一部が危機に瀕していると主張している。欧州司法裁判所は今月21日に夏季休廷に入るため、それまでにポーランドに伐採の差し止めを命ずる可能性もある。[環境ニュース][EU規制]
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