フランスのシルビー・グラール国防相は20日、欧州議会の公金が、所属政党「民主運動」の在仏職員の給与支払いに流用されたとの疑惑を受け、辞任すると発表した。同相が欧州議員時代に不正行為に関わったとして、捜査を受ける可能性があるため。グラール氏の声明を元に、AFP通信などが伝えた。
グラール氏は5月にマクロン氏が大統領に就任した際に、国防相に登用されたばかり。同氏は今回、「マクロン大統領は、公職に対する国民の信頼を取り戻すことや、フランスの改革、欧州の再出発に取り組んでおり、これらの課題がいかなる個人的な事情よりも優先されるべき」と説明。国民議会選挙を終え、政権の微調整が行われるのを機に、辞任を申し出た格好だ。
フランスの検査当局は6月初め、仏週刊誌カナール・アンシェネ(Le Canard Enchaine)による不正疑惑報道を受け、民主運動の予備調査に着手した。同党は、マクロン大統領率いる中道の新党「共和国前進(REM)」(旧アン・マルシュ)と同盟関係にある。民主運動の党首を務めるフランソワ・バイル氏は、マクロン氏の強力な支持者として知られており、司法相に任命されている。[労務]
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