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ロンドンの高層住宅で火災=新政権の交渉に影響

ロンドン中心部の高層公営住宅で14日午前1時頃(現地時間)、大規模な火災が発生した。24階建ての建物全体に急速に燃え広がり、半日以上経った午後2時現在もまだ消火作業が続いている。出火の原因はわかっていない。この火事で少なくとも12人が死亡し、74人が病院で治療を受けた。うち少なくとも20人が重体のほか、行方不明者も多く、犠牲者の数は今後さらに増えることが予想される。BBC電子版が伝えた。

火事が起きたのは、ロンドン中心部西寄りのケンジントン・アンド・チェルシー区にある区営の「グレンフェル・タワー」で、120戸から成る。現場には250人以上の消防士が駆け付け、消火や救助に当たっている。高層階に取り残されている人も多く、捜索・救助活動にはかなりの時間がかかる見通し。当初は火災による建物倒壊も懸念されたが、ロンドン消防隊によるとその危険性はないことが確認された。周辺の道路や地下鉄は閉鎖され、近隣住民には避難命令が出された。

グレンフェル・タワーはケンジントン・アンド・チェルシー区が所有し、管理は外部機関に委託されている。築43年で、昨年には1,000万ポンドをかけた大規模な改修工事が行われたばかりだった。ロンドンのサディク・カーン市長は「向こう数日にこの悲劇の原因をめぐり多くの疑問が示されるだろう」とした上で、「これらの疑問をすべて解明する」と決意を表明した。

■メイ首相、DUPとの閣外協力合意を延期

この火災を受け、与党・保守党と北アイルランドの民主統一党(DUP)との閣外協力に向けた合意内容の発表が延期された。他の予定との兼ね合いもあり、発表は19日以降に持ち越される見通し。DUP関係者の話を元にBBC電子版が伝えた。

この関係者によると、保守党を率いるメイ首相とDUPのフォスター党首の話し合いは合意間近に達しており、あとは詳細条件を詰めるだけの段階。ただ、合意発表の延期により、19日に行われる予定だったエリザベス女王による新政府の施政方針演説も少なくとも1週間ずれ込む可能性があり、欧州連合(EU)離脱交渉の開始が遅れることも考えられる。

火災は建物全体に広がり、鎮火作業は日中も続いた(ロンドン消防局提供)

火災は建物全体に広がり、鎮火作業は日中も続いた(ロンドン消防局提供)


関連国・地域: 英国EU
関連業種: 建設・不動産マクロ・統計・その他経済政治社会・事件

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