欧州連合(EU)域内からの英国のパスポートの新規申請件数が昨年、3割以上増加した。英国のEU離脱決定を受けた動き。当局から入手したデータを元に、フィナンシャルタイムズが9日伝えた。
それによると、EU域内に在住し、2016年に初めて英国のパスポートを申請した人の数は、前年比35%増の1万3,070人だった。これは2014~2015年に増えた人数の2倍以上にあたる。
最も申請者数が多かったのはフランスで、28%増の2,369人が申請。ドイツでも60%増の2,140人が申請している。申請数は、ブレグジットが決定した直後に急増。昨年7月の申請件数は、オランダとドイツで1年前からそれぞれ2倍以上に拡大したほか、フランスでも56%伸びた。
こうした申請者の約3分の2は未成年者が占めている。多くは、英国人を親に持つEU域内で出生した子どもが、将来的に英国で就学や就職する場合に備えた動きとみられる。
一方、英国人によるEU加盟国のパスポート発行申請はこれ以上に急伸している。英国人によるアイルランドのパスポート発行申請は今年の第1四半期(1~3月)に5万1,079人を記録し、前年同期比67%増加。また、ブレグジット決定直後となる昨年7~10月の申請件数を見ても、北アイルランドで1年前から68.3%増えたほか、北アイルランドを除く英国からは2倍近くに膨らんだ。
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