パリ中心部のシャンゼリゼ通りで20日午後9時ごろ(現地時間)、発砲事件があり、警官1人が死亡、他に2人が負傷した。容疑者は応戦した警官隊に射殺された。警察当局は実行犯をフランス人の男(39)と特定し、直ちにパリ東郊シェル(Chelles)にある自宅を家宅捜索した。事件後にはイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が犯行声明を出している。AFP通信が伝えた。
男は、シャンゼリゼ通りに止まっていた警察バスの近くに車で乗りつけ、バスに向かって自動小銃を発砲した。当局は男の車内で見つかった遺留品などから身元を既に特定しており、地元メディアによるとカリム・シュルフィ容疑者とみられる。男は2001年に警官に対する殺人未遂罪で懲役16年の実刑判決を受けた。今年2月にはテロ計画で拘束されたものの、証拠不十分で釈放された経緯がある。
事件後、別の男がベルギー北部アントワープの警察署に自首しており、当局は事件との関連を調べている。またロイター通信によると、仏当局は実行犯の家族3人を拘束した。なお、IS系ニュースサイト「アーマク通信」は実行犯として別の氏名を公表しており、謎が残っている。
この日は仏大統領選の第1回投票を目前に控えていたが、事件を受けて候補者たちは選挙活動を自粛することを決めた。
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