英国の若年層の半数が、自身を「欧州人」と考えていない――。こうした傾向が、シンクタンクのデモス(Demos)が行った最新調査で明らかになった。ガーディアンが11日伝えた。
デモスは、ブリティッシュ・カウンシルの「次世代調査」プログラムの支援を受け、英国(イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランド)に在住する18~30歳の若者1,994人を対象に調査を行った。地域別に見ると、自身を欧州人と見なす回答者の割合が最も高かったのはロンドンと北アイルランドで、共に59%。一方、この割合が最も低かったのはウェールズで35%だった。ウェールズでは昨年6月の英国の欧州連合(EU)離脱をめぐる国民投票で、過半数が離脱を支持していた。
デモスは若年層と外国の接点についても調査。外国語で簡単な会話ができるとしたのは全体の約3分の1に過ぎず、外国に3カ月以上滞在した経験がある若者は1割にとどまった。同社のイアン・ワイブロン氏は「外国生活や勤務経験、留学は、若者により良い雇用機会を与え、自信や異文化への理解を深めるなど明確な利益がある」と説明。今回の結果では若年層がこうした機会から除外されており、特に社会経済的に恵まれない層で顕著なことが浮き彫りになったと述べた。
なお、「英国人」としての自覚を持つ若者は全体の約8割に上った。うちイングランド北東部が93%と最高だった半面、スコットランドは59%、北アイルランドは62%だった。先の投票では、スコットランドと北アイルランドは共にEU残留派が過半数を占めていた。
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