パリ市は、セーヌ川の夏の風物詩「パリ・プラージュ(パリ・ビーチ)」に使用する砂を、セメントで世界最大手のラファージュホルシム(スイス)から調達しないことを決めた。同社が、トランプ米大統領の公約であるメキシコ国境の壁建設に意欲を示していることを受けた措置。AFP通信が29日伝えた。
パリ・プラージュは2002年にパリ市が主導して始まった取り組み。セーヌ川沿いの約3.5キロが期間限定で人工ビーチに早変わりするもので、合計3,000トン以上の砂が敷き詰められる。
ラファージュホルシムは先に、メキシコ国境の壁建設プロジェクトに関心を示す企業として公式リストに掲載された。エリック・オルセン最高経営責任者(CEO)は、「われわれはセメントのリーダーとして、全ての顧客に供給する」と説明。米国でのあらゆる種類のインフラ計画に対して素材を供給する準備ができていると述べている。
こうした姿勢を受け、環境派の弁護士らはイダルゴ市長にラファージュホルシムとの提携を打ち切るよう要求。ジュリアール副市長は、「市民がパリに期待する倫理的な責任を果たすため」とした上で、市議会に対して同社からのサービス提供を受けずにパリ・プラージュを実施する方針を示した。議会は既にこれを承認している。[環境ニュース]
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