イタリアの与党・民主党から25日、左派の造反議員らが分離し、新政党「進歩民主運動」を立ち上げた。レンツィ前首相と袂を分かち、同氏の返り咲きを阻止したい考えとみられる。AFP通信が伝えた。
進歩民主運動には、左翼党の一部議員も参加。マニフェストでは、レンツィ前首相の就任以降に実施された右寄り路線から脱し、「中道右派の再生となるオープンな運動を構築する」と宣言。「党首の野心の下で窒息することのない中道右派政党の連合を再構築することを目指す」としている。
新党を率いるのは、民主党の代議院(下院)院内総務を務めたこともあるロベルト・スペランツァ議員とトスカーナ州のエンリコ・ロッシ知事。民主党のピエルルイジ・ベルサーニ元党首やマッシモ・ダレマ元首相も支持者に名を連ねる。
レンツィ前首相は、上院の権限縮小をめぐる改憲案が先の国民投票で否決されたことを受け、昨年12月に辞任。後任には盟友のジェンティローニ氏が就任したが、レンツィ氏は返り咲きを狙い次回総選挙を6月に繰り上げたい意向とされる。同氏は先に書記長(党首)も辞任し、党内の反対勢力の抑え込みに向け党首選での再選を目指している。
進歩民主運動はジェンティローニ首相を支持する一方、レンツィ氏の返り咲きを阻止し、予定通り2018年2月に総選挙が実施されるよう働きかける方針とみられている。
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