ドイツで昨年、難民や難民収容施設に対する襲撃件数が3,533件に達した。1日当たり平均10件近くの襲撃が行われている計算だ。内務省が議会での質疑への答弁で明らかにした。独通信社フンケ・メディエングルッペなどが26日伝えた。
それによると、これらの襲撃で560人が負傷。うち、43人が子どもだった。なお、襲撃のうち約4分の3は施設外で行われた。施設に対する襲撃件数は988件と2015年からやや減少。難民個人に対する襲撃は2,545件、難民の支援団体やボランティアに対する襲撃は217件に上った。
野党・左翼党は、政府は難民によるテロなどの脅威への対策に注力しているが、「極右勢力による暴力が国内の安全問題の中心」と指摘。極右は難民だけでなく民主主義をも脅かすと警鐘を鳴らしている。
ドイツ西部のコブレンツ(Koblenz)では1月、欧州連合(EU)への懐疑や反難民を訴える欧州各国の極右勢力が集結した。極右政党の支持者ら800人近くが集まる一方で、こうした右傾化の動きに抗議するデモ行進が行われ、警察発表によるとおよそ5,000人がこれに参加した。
2016年のドイツへの難民流入数は28万人となり、2015年の89万人から3分の1に減少した。一方、難民による正式な申請手続きは1年前から56.4%増加。申請者の出身国で最も多かったのはシリアで、これにアフガニスタン、イラクが続いている。
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