ロンドン警視庁に、188年の歴史で初めて女性トップが誕生した。クレシダ・ディック警視総監(56)は、英国最大の警察組織の長として4万3,000人のスタッフを率いる。内務省が22日発表した。
今回の人事は、バーナード・ホーガンハウ前警視総監の退任に伴うもの。1983年にロンドン警視庁に入庁したディック氏は、テロ対策の責任者としても活躍し、2014年12月に外務省に移るまで31年間務めた。
ディック氏は任命を受け、「責任は重大だが素晴らしい機会。ロンドン市民を守り仕え、ロンドン警視庁の素敵な同僚と再び働けるのを非常に楽しみにしている」と意気込みを語った。
ただ人選をめぐっては、2005年7月のロンドン同時多発テロの容疑者として射殺されたブラジル人男性が実は無関係であったことから、このオペレーションの責任者だったディック氏の任命に、男性の遺族らを中心に強い反対の声もあった。
ロンドンのテロ警戒レベルは現在、5段階で上から2番目の「シビア(深刻)」に設定されている。ディック新警視総監はテロ対策に加え、ロンドン警視庁の予算削減、武装警察の増員などの課題に追われそうだ。[労務]
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