ドイツ政府は1日、テロ警戒の監視対象者全員に電子タグを装着させる方針を固めた。犯罪歴がなくとも免除しない考え。昨年12月にベルリンで起きたテロ事件を受け、過激派への締め付けを強化する。ドイツ通信などが伝えた。
電子タグの装着義務は、デメジエール内相とマース法務・消費者保護相が合意した数々のテロ対策案の1つ。導入の背景には、ベルリンのクリスマス市に大型トラックで突っ込んだチュニジア人容疑者が当局に危険人物と認識されながら、事件を未然に防げなかったことがある。
監視対象者の足首に取り付ける電子タグは衛星利用測位システム(GPS)送信機を内蔵し、接近を禁じられた場所に近づいた場合に信号を送る仕組み。デメジエール内相は、問題解決の「特効薬」にはならないとしながらも、監視の重要な手段となると説明している。
ドイツでは現在、性犯罪や暴行の前科がある出所者88人が電子タグを着けているが、これまで「テロリスト予備軍」に装着させた例はない。
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