ロンドンのサディク・カーン市長は23日、市内の大気汚染状況を最も深刻な「非常に高い」とする警告を発した。特に金融街シティー、カムデン区、ウエストミンスター区では、汚染度合いが1(最低)から10(最高)までの10段階で最悪の水準に達している。
ロンドン市では昨年8月、大気汚染対策の一環として注意報の表示を開始。環境省やケンブリッジ大学などが共同で提供している大気汚染予報「エアテキスト(airTEXT)」を採用し、この予報が「大気汚染レベルが高い」または「非常に高い」を示した場合、市内2,500カ所のバス停およびテムズ川のフェリー乗り場、270の地下鉄駅、幹線道路沿いの140カ所の電光掲示板に注意報が表示される仕組みだ。大気汚染で最高度の警告を出すのは、同市長の就任以降で初となる。
またカーン市長は24日、市内の大気汚染が深刻な地域の小学校を対象に、新たな検査スキームを設けると発表。検査を通じてそれぞれの小学校周辺で大気汚染対策を講じるもので、25万ポンドを投じる考えを示している。
このところの大気汚染の悪化は、気象条件の安定化により風が少なく、汚染物質が拡散していないことが原因。浮遊粒子状物質(PM)のうち粒径が10マイクロメートル以下のPM10の濃度は、一部地区で1立方メートル当たり101と、許容水準の2倍を超えている。ロンドンでは毎年、大気汚染を原因とする疾患で毎年9,400人が命を落としている。[環境ニュース]
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