ポーランドの市民プラットフォーム(PO)など野党の議員は12日、ほぼ1カ月ぶりに下院・本会議議場の占拠を解除した。与党・法と正義(PiS)が、報道関係者に対する議会取材の制限を撤回することを約束したため。ロイター通信などが伝えた。
PiSは昨年12月、下院に出入りする報道関係者を制限し、国会中継も限られたテレビ局にのみ認めるとする法案を提出。これに野党側が反対して議場を占拠すると、2017年度予算案の承認の場を別の部屋に移し、議決に必要な最低議員数を満たさないまま強行採決した。また、先には安全強化のため下院議事堂の周囲にフェンスを設置する方針を示している。
PiSはメディアの制限は取り下げたものの、予算案の採決については譲歩を拒否している。議会は25日まで休会とし、与野党はさらに協議を行う。
PiSは2015年11月に政権を握って以来、憲法裁やメディアに対する権限強化を進め、野党との対立が激化している。市民は議事堂の外で抗議活動を行っているほか、欧州委員会も強権的な支配に対しては懸念を示している。
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