イングランド南西部ウィルトシャー州の古代遺跡、ストーンヘンジ付近の道路をトンネル化する計画をめぐり、英運輸省は12日に最終案を公表した。世界遺産と周辺環境へのダメージに対する懸念から先送りされてきたが、最初の構想から30年近くを経てようやく青信号が出た。
現在、ストーンヘンジ付近道路の交通量は1日当たり2万4,000台を超える。政府は全長2.9キロメートルの片側2車線の双方向トンネルを建設することで、交通渋滞の解消と移動時間の短縮につなげられるとしている。
問題となっているのは、高速道路M3号線とM5号線を結ぶ国道A303号線の一部。政府は2014年12月、イングランドの道路インフラ整備に2020年までに150億ポンドを投資する方針を示し、うち20億ドルをA303号線の全面的な改良に充てるとしていた。
ただ政府の計画に対し、キャンペーン団体のストーンヘンジ・アライアンスは、トンネルの長さが4.3キロメートルを下回れば、景観を取り返しの付かないほどに損なうと反発。2015年には、より長いトンネルの建設を求めて1万7,500件の署名を集めた。
政府は3月5日までドライバーや住民から意見を公募し、今年後半には好ましいルートを明らかにするとしている。[環境ニュース]
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