ポーランドの与党・法と正義(PiS)は近く、下院議事堂の周囲にフェンスを設置する方針だ。安全強化のためとしているが、同国ではPiSの強硬なメディア規制などに対し、野党議員や反対派がデモを繰り返している。ワルシャワ・ボイスなどが4日伝えた。
PiSは昨年12月、下院に出入りする報道関係者を制限し、国会中継も限られたテレビ局にのみ認めるとする法案を提出。これに野党側が反対して議場を占拠すると、2017年度予算案の承認の場を別の部屋に移し、メディアを遮断した状態で限られた議員だけで行った。同党は、報道関係者の制限は議員とメディアの癒着を防ぐためと説明。予算案についても、承認に必要な議員が集まっていたと主張している。
野党側は「議場以外で投票が行われたのは1989年の民主化以降で初だ」と、これを認めない構え。報道関係者の制限については下院が撤回すると発表したものの、一部の議員は議場への座り込みで反意を表明しており、議会が開会する11日まで続けられる見通しだ。また、議事堂の外でも多くの市民が抗議活動を行っている。
PiSは2015年11月に政権を握って以来、憲法裁やメディアに対する権限強化を進めており、内外で批判が高まっている。
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