フランスの小学生の理数能力は、欧州連合(EU)で最低水準――。こうした傾向が、国際教育到達度評価学会(IEA)が手掛ける小中学生の基礎的な理数能力を図る国際学力調査「TIMSS」で明らかになった。11月29日に公表された2015年度の調査結果を基に、ザ・ローカルが伝えた。
IEAはオランダに本部を置き、4年に1度、小学4年生と中学2年生を対象に算数・数学と理科・科学の基礎的な学力の到達度を図るテストを行っている。6回目となる2015年度の試験には世界約57カ国・地域から、60万人以上の生徒が参加した。
フランスは今回初めて、小学部のTIMSSに参加。この結果、算数のテストの平均点(世界平均=500点)は488点となり、EU加盟国で最下位だった。うち13%は400点にも届かなかった。全体の首位はシンガポールで618点を達成。これに、香港(615点)、韓国(608点)、台湾(597点)、日本(593点)と東アジア諸国が続いた。EU域内に限ると北アイルランド(570点)、アイルランド(547点)、イングランド(546点)が上位を占めている。EU平均は527点だった。
理科のテストでは、フランスの平均点は487点と、EUではキプロス(481点)に次いで2番目に低い水準となった。こちらも首位はシンガポール(590点)で、次いで、韓国(589点)と日本(569点)が上位に入っている。EUでは、フィンランド(554点)、ポーランド(547点)、スロベニア(543点)が健闘した。EU平均は525点だった。
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