北アフリカから地中海を渡ってイタリアに到着した難民の数が、11月末時点で17万人を突破し、既に通年の最多記録を更新した。内務省の発表を元に、ロイター通信などが28日伝えた。
それによると、1~11月の累計は17万1,299人。うちナイジェリア出身者が約3万6,000人と全体の21%を占め、これにエリトリア(2万人)、ギニア(1万2,000人)が続いた。これまでの年間最多記録は2014年の17万100人。昨年は15万4,000人が到達しており、過去3年間で50万人弱が海を渡った計算となる。
背景には、欧州連合(EU)とトルコが3月に合意した送還計画やマケドニアの厳格な入国管理の影響で、困難とみられるギリシャへのルートよりもイタリアを選ぶ難民が増えたことがある。同国の難民シェルターには現在、17万6,000人超が滞在し、難民申請件数は過去最多に達している。
同時に海難事故も多発しており、判明しているだけで今年は既に4,663人が死亡した。保護者が同伴していない子供の難民が増えていることも要因の1つで、10月末時点で2014年通年の1万3,000人に比べて2倍近い約2万3,000人の子供が到着している。
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