フランスのマクロン前経済・産業・デジタル相(38)は16日、次期大統領選への出馬を表明した。同氏は社会党のオランド大統領の下で2014年に入閣したが、8月に辞任しており、無所属での立候補となる。この日の演説では「右派でも左派でもない新概念でフランスを団結させる」との決意を示した。
マクロン氏は4月に政治活動団体「アン・マルシュ(進め)」を結成しており、大統領選への出馬は秒読みとみられていた。同氏はオランド政権の閣僚として、小売店の日曜営業の拡大などビジネス寄りの改革に尽力。議員経験はなく、入閣前は金融大手ロスチャイルド・グループの幹部を務めた。
マクロン氏は出馬表明演説で、「能力のある人々のエネルギーを解き放つ一方で、弱者を保護する」と表明。「フランスは発展への道から外れ行き詰っている」として、状況打破への意欲を示した。同氏はかねて、ビジネス志向の規制緩和と福祉国家を組み合わせた経済モデルの導入を示唆している。
ただ、マクロン氏の参入により大統領選の第1回投票で左右両派の票が割れ、極右政党・国民戦線のマリーヌ・ルペン党首の勝率を押し上げることになると懸念する声も上がっている。支持率低迷に悩む現職のオランド大統領はまだ出馬を表明していない。一方、最大野党・共和党ではサルコジ前大統領とジュペ元首相が候補者の座を争う見通し。
フランスの大統領選では、第1回投票で過半数を獲得する候補者がいなかった場合、上位2人の決選投票が行われる。第1回投票は来年4月23日、決選投票は5月7日に実施される予定。
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