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パリに国内初の薬物摂取施設が開設=中毒者向け

パリで11日、同国初となる薬物中毒者向けの摂取施設が開設された。注射器の使い回しによる感染症の拡大や、薬物の過剰摂取による死亡事故、薬物中毒者が公共の秩序を乱すのを防ぐための措置で、17日から中毒者の受け入れを開始する。ザ・ローカルなどが伝えた。

施設の総工費は85万ユーロ。かねて薬物中毒者が集う場所として知られる北駅周辺に設置された。ヘロインやコカインなどの薬物の注射室のほか、吸引室が併設されており、午後1時半~8時半に、年中無休で中毒者を受け入れる。施設では中毒者が薬物を持ち込めば未使用の注射器などが提供され、医療従事者の監視の下で薬物を摂取することが可能。1日当たり約200人の利用を見込む。

施設開設を巡っては、薬物摂取は合法との誤認が広まる恐れがあるとの非難や、治安悪化を懸念する声があがっていた。これに対し、トゥーレーヌ保健相は先に「問題から目をそらしては、解決できない」と説明。薬物中毒者を社会から排除せず、改善に向けた取り組みを進める方針を示していた。同様の施設は東部ストラスブールにも開所する見通し。また、南西部ボルドーも試験的な導入を検討しているとされる。

薬物摂取施設は30年ほど前に、スイスで初めて開設された。その後、オランダ、ドイツ、スペイン、ルクセンブルク、ノルウェー、ギリシャ、カナダ、オーストラリアなどでも設置が広まり、施設数は世界で90カ所以上に上る。これまでに、施設内で、薬物の過剰摂取による死亡事故は起こっていない。


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