ポーランドの下院(定数460)は7日、人工妊娠中絶に関する規制を強化する法案を反対352対58の反対多数で否決した。ワルシャワ・ボイスなどが伝えた。
同法案については、中絶反対を訴える市民団体が約45万人の署名を集めて抗議していた。妊娠中絶を例外的に認めるのは、出産で母親の命が危険にさらされる場合に限定するほか、これに違反して中絶に踏み切った女性と処置を行った医師に最大5年間の禁固刑を科すとしていた。
与党・法と正義(PiS)はカトリックの教義を促進しているものの、同法案については公式に支持しておらず、議員は自由裁量で投票を行った。同法案をめぐっては3日、女性を中心に約10万人が抗議デモを展開。これを受け、多くの議員が反対票を投じたとみられている。
ポーランドで1993年に成立した現行の中絶禁止法は、欧州の中では厳しい内容で知られており、過去には国外の人権団体が抗議活動を行った経緯がある。ただ現行法では、胎児に治療不可能なダメージがある場合や、レイプ、近親相姦の場合の中絶を認めている。
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