EU、18歳の市民に欧州鉄道無料パス提供も

欧州議会は5日、18歳の誕生日を迎えた欧州連合(EU)市民に欧州鉄道パス「インターレール・パス」を無料交付する案を検討していると明らかにした。温室効果ガスの排出量の少ない交通機関の利用を促すとともに、若年層に欧州各国を知る機会を提供するため。

「インターレール・パス」の通常料金は対象国や期間によって異なるが、欧州30カ国の鉄道で利用できる26歳以下の若年層向けの1カ月パスで、最大480ユーロ。マルタやキプロス、バルト三国は「インターレール・パス」に参加していないため、バスやフェリーなどの代替交通手段を検討するという。

4日の審議に参加した欧州委員会のビオレタ・ブルツ運輸担当委員はこの案を「素晴らしいアイデア」と評価した。ただ、実施に向けては課題も多いと指摘。「欧州委は、コストや資金源、事務管理上の実現可能性を慎重に検討する」としている。英ガーディアンによると、この案の実施コストは最大30億ユーロに上る。実現するとしても承認には数年かかる見通しで、EU離脱を決めている英国の若者が恩恵を受ける見込みは薄い。

「インターレール・パス」は、若者の夏休み中のバックパック旅行が盛んになった1972年、若年層を対象に導入された。現在は26歳以上の大人向けや60歳以上のシニア向けのパスもあり、年間利用者数は計30万人に上る。なお、「インターレール・パス」は欧州市民や欧州各国の住民権保有者だけが購入可能。非欧州市民は同様の「ユーレール(Eurail)・パス」を買うことができる。


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