アムステルダム観光名物の「ビールバイク」が来年1月より、市中心部の大部分で禁止される——。住民からの苦情が絶えないことが背景にある。ファンデルラーン市長が議会にあてた文書を元に、現地紙ヘット・パロールが3日伝えた。
ビールバイクは、バーカウンターの周囲に座席を配置した屋根付きの大型自転車。搭乗した10人以上の観光客にビールを振る舞いながら、アムステルダム市内を巡回するツアーが組まれている。市当局にはかねて、利用者による騒音やごみの投げ捨てなどへの苦情、交通安全を懸念する声、観光よりも宴会を目的とする観光客を呼び寄せているだけとの批判が寄せられていた。
今回ビールバイクを禁止するのは、アムステルダム中心部の繁華街ハールレムブアート(Haarlemmerbuurt)と運河沿いの地区。これらの地域からの苦情が最も多かったことが理由という。ただ、今回の措置は問題を市内の別の場所に移すだけだと懸念しており、鉄道駅の周辺や飾り窓地区、ヨルダーン(Jordaan)地区なども追って禁止に踏み切る可能性が高い。
ビールバイクをめぐっては過去にも、市当局が安全性などの調査を行った経緯がある。また、昨年7月には市民団体が営業禁止に向けた署名活動を展開し、6,000人以上が署名していた。
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