イタリア政府は26日、憲法改正案をめぐる国民投票を12月4日に実施すると発表した。レンツィ首相は、改憲により上院の権限を大幅に縮小することで政治体制の安定化につながると主張している。しかし、一部の世論調査では反対が賛成を大きく上回る結果も出ており、国民投票の行方は予断を許さない状況となっている。
レンツィ首相は当初、10月初めの投票を予定していたが、反対意見が強まってきたため投票日をできるだけ遅らせることで国民への説得を目指すことになった。同首相は投票日決定の発表後に、「われわれは安定した簡素な国を望んでいる。変化を望むなら力を貸してもらいたい」と訴えた。
改憲案は4月に上下両院で可決されたもので、予算や政府の解散に関する上院の権限をなくすほか、上院の定数を315議席から100議席へ大幅に減らす内容。イタリアでは第2次世界大戦以降、63の政権が誕生しているが、5年の任期を満了した政権は1つもない。レンツィ首相は国民投票で改憲が承認されれば、こうした状況に終止符を打てると訴えている。8月には最高裁判所も国民投票の実施を承認していた。
レンツィ首相は、国民投票で否決されれば辞任すると宣言しており、自らの政治生命を懸ける意向だ。
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