フランス南東部ニースの行政裁判所は1日、イスラム教徒の女性向け水着「ブルキニ」の着用を禁止する条例を凍結するよう命じた。先に仏国務院(行政訴訟の最高裁に相当)が、南東部プロバンス・アルプ・コートダジュール地域圏のビルヌーブルべ(Villeneuve Loubet)の同条例について差し止める判断を下しており、これに沿った格好となった。AFP通信などが伝えた。
ニースの行政裁判所の判事は、7月に同市でトラックが群集に突入したテロ事件が発生したものの、これはブルキニの禁止条例を法的に正当化する十分な根拠にならないと指摘。またブルキニは遊泳時の衛生や品位、安全性に対する脅威にもならないとの判断を示した。
ブルキニをめぐっては、宗教色の強い水着は公共の秩序を乱す恐れがあるとして、フランスの少なくとも30の自治体が着用を禁止する条例を発令。国務院による差し止め命令が出た後もニース市をはじめ、複数の自治体が条例を継続する方針を示していた。既にビルヌーブルベのほかカンヌ、フレジュス(Frejus)、ロクブリュヌ(Roquebrune)など南東部の各自治体は条例の停止を決めているが、コルシカ島では禁止を続けている。
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