英国民の過半数が、イスラム教徒の女性が着用する顔全体を覆うベール「ブルカ」の禁止に賛成している――。インターネット調査会社ユーガブ(YouGov)の調査で、こうした事実が明らかになった。
それによると、ブルカの着用禁止を支持しているのは全体の57%に達し、反対した25%の倍以上に及んだ。年齢層別に見ると、反対派が賛成派を上回ったのは18~24歳の若年層のみで、賛成34%、反対40%だった。ただ、年齢が上がるにつれて賛成派の勢力が増し、65歳以上では賛成78%に対し、反対はわずか12%にとどまっている。
支持政党別に見ると、賛成派の割合が最も多いのは、英国独立党(UKIP)で84%。次いで保守党の66%だった。労働党と自由民主党はそれぞれ48%、42%と賛成派が過半数を割り込んだものの、共に反対派を10ポイント超ほど上回っている。
なお、イスラム教徒の女性が着用する水着「ブルキニ」については、全体の46%が禁止に賛同。禁止に反対したのは30%だった。
ブルカをめぐっては、ドイツのデメジエール内相が先に、運転中や公共機関での登記時、国境での出入国の際、学校や大学、裁判所などでの着用を禁じる方針を示した。法制化には政府の承認が必要となるが、これに向けて法案の策定を進めるとしている。
一方、複数の自治体でブルキニの着用禁止令が発行されているフランスでは、仏国務院(行政訴訟の最高裁に相当)が南東部プロバンス・アルプ・コートダジュール地域圏ビルヌーブルべ(Villeneuve Loubet)の条令を差し止める判断を下した。カズヌーブ内相は先に、ブルキニ禁止令は違憲との見解を示し、政府がこれを法制化すれば「取り返しのつかない緊張を生むことになる」と話している。
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