ドイツが、スイスとの国境で入国管理を強化している。スイスはイタリアからドイツを目指す難民の新たなルートとなっており、不法移民の流入を抑えるため。ドイチェ・ウェレなどが22日伝えた。
スイスの国境警備隊を統括するマウラー財務相によると、ドイツ側は国境警備隊を90人、警官を40人それぞれ増員した。同相は「ドイツは明らかに、難民を歓迎する方針を転換した」と述べている。
スイスは難民を受け入れているが、無資格者や、同国を通過するだけの難民を厳しく取り締まっている。7月にはイタリアとの国境で入国管理を開始。これにより、イタリア北部コモ(Como)では毎日1,000人が不法入国で送還されているという。国内では国境管理に軍を投入すべきとの意見もある。
ドイツ内務省はスイス国境での管理強化の事実を認めている。同国からの不法入国者は今年に入って3,500人弱に達し、1年前から40%増えたという。
欧州連合(EU)とトルコが3月に合意した送還計画やバルカン諸国の厳格な入国管理により、ギリシャからバルカン半島を経由する「西バルカンルート」を通過する難民は激減した。一方、リビアから地中海を渡ってイタリアへ到達するルートの流入ペースは加速。欧州対外国境管理協力機関(フロンテックス)によると、1~7月に新ルートでイタリアに至った難民は前年比12%増の9万5,000人に上った。
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