ロンドン地下鉄(LU)の週末24時間運行サービス「ナイトチューブ」の営業が19日から始まる。乗客数が特に多い金曜と土曜の夜が対象で、ここ数年で急増する需要に応えたもの。バスやタクシーに代わる深夜の交通手段としてロンドン市民の支持を集めており、経済効果も期待されている。
サービスはまず、セントラル線とビクトリア線で開始。ビクトリア線は全線を対象に平均10分間隔で運行し、セントラル線はホワイトシティー~レイトンストーン間が10分間隔、イーリングブロードウェイ~ホワイトシティー間とレイトンストーン~ラフトン/ヘイノールト間が20分間隔となる。今秋にはピカデリー線とジュビリー線、ノーザン線に拡大する予定だ。
運賃は平日のオフピークと同じ料金が適用され、切符の有効期間は午前4時半まで延長される。また、駅構内には日中と同様にスタッフを配置する。
ロンドンでは、ナイトバスの利用者数が2000年以降で2.5倍以上に拡大。金曜と土曜の午後10時以降の地下鉄利用者は50万人を超えている。ナイトチューブは昨年9月に導入される予定だったが、度重なる従業員のストライキにより延期を余儀なくされていた。運輸関係労働組合(RMT)とLUは今年3月、運転士の勤務体系などに関する交渉で妥結した。
ロンドン交通局(TfL)によると、ナイトチューブの導入により、夜間の移動が平均20分、最大で1時間余り短縮される見通し。また、2,000人の雇用創出と3億6,000万ポンドの経済効果が見込まれている。24時間運航は今後、他の地下鉄路線や地上鉄道網オーバーグラウンド、ドックランズ・ライト・レールウェイ(DLR)にも導入される計画だ。[労務]
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