デンマークで6月に行われた永住権取得試験で、受験者の68.8%が不合格だったことが明らかになった。昨年発足した中道右派の自由党政権が定めた新たな試験は難易度が高くなっており、国内でも批判の声が上がっている。ストイベア児童・男女平等・統合・社会問題相の話を元に、ザ・ローカルが5日伝えた。
永住権取得試験は毎年6月と12月に行われる。今回の試験は現政権になってから初めて行われたもので、デンマーク語テストのレベルを1段階上げたほか、デンマークに関する一般常識テストの合格ラインを正答率73%から80%に引き上げるなど、より厳しい内容になっている。このテストは試験終了後にメディアに公開されたが、質問内容が曖昧でデンマーク国民でも合格が難しいという。このほか、過去5年に独立して生計を立てていた年数を2.5年から4.5年に延長。犯罪歴についての規定も厳格化した。
自由党は昨年6月の議会選挙で第3党だったものの、第1党だった社会民主党が過半数議席を獲得できなかったことを受けて少数単独政権を発足した。移民の規制強化を公約として掲げており、9月には難民の流入阻止に向けレバノンの新聞に広告を掲載。今年1月には難民から1万デンマーククローネ(1,450ドル)相当を超える財産を没収する法案を可決し、国連や人権団体からも非難が相次いでいる。反移民を掲げる極右のデンマーク国民党(DPP)が第2党に躍進したことも、同国のこうした傾向に拍車をかけているようだ。
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