欧州でギリシャに次ぎ最大の難民流入先とされるイタリアで、流入数自体はここ2年変わっていないことが判明した。内務省が2日明らかにしたとして、AFP通信が伝えた。
それによると、今年6月までにイタリアに流入した難民数は7万930人で、前年同期からほぼ横ばい。2年前からはわずかに増えた程度だった。うち大人が同伴していない未成年は6月17日時点で8,553人に上り、全体の約12%を占めた。2015年通年の1万2,360人、2014年の1万3,026人と照らし合わせると、半年ベースでの流入数は加速しているといえそうだ。
難民の多くはアフリカ出身で、15%がナイジェリア、13%がエリトリアから漂着し、他はコートジボワール、ガンビア、ギニア、スーダン、ソマリア、セネガル、マリとなっている。
2015年の難民流入数は15万3,000人で、難民申請件数は今年6月末時点で合計13万2,000件に達している。
中東・アフリカから西欧などを目指す難民はこれまで、トルコからエーゲ海を渡ってギリシャに至り、バルカン諸国を通過する「西バルカンルート」を利用していた。しかし、バルカン諸国が国境管理を強化したことから、地中海をボートで渡るケースが急増。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、ボートの転覆などにより2014年以降に1万人以上が死亡し、今年は既に2,800人が犠牲になったという。
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