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NHS改革へ10カ年計画公表 英、デジタル化や予防医療に軸足

英国のスターマー首相は3日、運営の危機に陥っているイングランドの国民医療制度(NHS)の抜本的改革に向けた10カ年計画を発表した。病院での治療から地域密着型の医療サービスを通じた予防へと軸足を移すとともに、医療のデジタル化に取り組む方針。

改革案では、地域医療サービスを拡充し、患者が自宅近くで検査や診断を受けられるようにする。一方、予防接種やスクリーニング検査の拡充、減量食プランの提供などを通じた予防医療の強化により、病院の負担軽減を図る。

医療のデジタル化の目玉としては、NHSアプリを刷新。医療アドバイスや予約、処方箋の依頼、医療データの管理を網羅する「NHSへの玄関口」とするとしている。

このほか、官僚主義の解消に向けて200以上の機関を統廃合し、医療現場の資金や人手、権限を拡大する。医療機関の成績もランキング形式で公表し、成績不振の機関には政府が介入。評価は医療スタッフの給与に反映させるとしている。

スターマー氏は「NHSは歴史上の転換点にある」と指摘。高齢化が進み、慢性疾患が増加する中、「未来に適したNHSへの改革が必要だ」と訴えた。

政府は昨年9月に10カ年計画を策定する方針を打ち出していた。同12月に公表した経済成長策「プラン・フォー・チェンジ」では、優先政策6項目の1つとしてNHSの待ち時間解消を掲げ、待機患者の92%を18週間以内に受診させることを目指している。


関連国・地域: 英国
関連業種: 医療・医薬品マクロ・統計・その他経済

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