ルクセンブルクの鉄鋼大手アルセロール・ミタルは19日、ドイツの2工場で計画していたグリーンスチールの生産計画を中止すると発表した。エネルギーコストの高騰などを受け、ドイツでは採算が取れないと判断した。
グリーンスチールは、生産時の二酸化炭素(CO2)などの排出量を削減した鉄鋼材料。アルセロール・ミタルは独政府から13億ユーロの補助金を受け、北部ブレーメンと北東部アイゼンヒュッテンシュタット(Eisenhuettenstadt)の両工場で、グリーン水素を燃料とする炉への転換を目指していた。建設工事は今月までに開始する計画だった。
アルセロール・ミタル・ヨーロッパのヘルト・ファン・ポールボールド最高経営責任者(CEO)は「財政支援があっても脱炭素化計画を推進する価値や採算性が十分ではない」と指摘した。その上で、「欧州の鉄鋼業界は現在、脱炭素化の追加コストがなくても、前例のない厳しい状況に置かれている」と述べ、欧州委員会や各国政府の対策不足に懸念を示した。[環境ニュース]
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