ドイツのバイオ医薬品会社ビオンテックは12日、同業キュアバック(CureVac)を買収することで合意したと発表した。取引額は約12億5,000万ドル。メッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンの開発をさらに強化する考えだ。
取引は株式交換方式で行われ、キュアバックの株主は1株当たり5.46ドル相当のビオンテック株を取得する。これは11日の終値に34%のプレミアムを上乗せした水準。買収完了後、キュアバックの株主はビオンテックの株式約4~6%を保有する見通し。
ビオンテックはがん治療分野での取り組みを促進しており、この買収により「補完的な強み」を統合できると説明。ウグル・サヒン最高経営責任者(CEO)は「がん医療の未来への投資だ」とコメントしている。
キュアバックは新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)初期にコロナワクチン開発を進め、ドイツ政府も出資していた。しかし、ワクチンの商業化に苦戦し、業績が悪化。昨年には従業員の約1割に当たる150人を削減すると発表していた。
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