伊金融大手ウニクレディトが、独コメルツ銀行への出資比率を引き上げていることを巡り、ドイツのメルツ首相は、ウニクレディトによる買収に反対すると表明した。メルツ氏はコメルツ銀従業員の代表機関である中央事業所委員会のトップに送った書簡で、「連邦政府はコメルツ銀の独立を支持する」と明言した。
中央事業所委員会のサシャ・ユーベル委員長は4月、連邦政府に、ウニクレディトによる買収への危機感を訴える手紙を送っていた。メルツ氏は5月26日付でこれに返信し、ユーベル氏が6月10日、ビジネス向け交流サイト(SNS)リンクトインで公開した。
メルツ氏は書簡でコメルツ銀について、「ドイツ経済を支える中堅企業への融資で、主導的な役割を担っている」との見解を示し、重要性を強調した。その上で「ウニクレディトのような非協調的で非友好的な行動は容認できない」と述べた。
ウニクレディトは昨年9月にコメルツ銀の株式9%を取得し、ドイツ政府に次ぐ2番目の株主となった。その後も比率を高め、現在の保有比率は約28%。保有比率が30%を超えると、他の株主に対して株式公開買付け(TOB)を実施する義務が生じる。
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