ドイツの国際物流大手DHLエクスプレスは、米国在住の個人に向けた関税評価額800ドル超の国際貨物の取り扱いを21日から停止すると発表した。トランプ米政権が導入した関税政策により、税関手続きが急増したためだと説明している。
米国では、5日から始まった新しい税関規則により、800ドル超の貨物全てに正式な通関手続きが必要となった。変更以前の「2,500ドル超」から引き下げられたため、対象の荷量が大幅に増加。DHLは声明で「正式な通関手続きが急増し、24時間体制で対応している」と述べた。停止期限については「次の通知があるまで」としている。
一方、800ドル超の企業間貨物の取り扱いは継続するとしつつも、遅延が発生する可能性があるとしている。なお、企業向けと個人向けのいずれの場合も、評価額が800ドル以下の貨物については停止対象にはならない。
トランプ大統領はかねて、中国から大量の合成麻薬フェンタニルが密輸されているとして問題視。麻薬のサプライチェーン(供給網)への対処を目的とし、税関規則を変更する大統領令に署名した。さらに、米国は中国から香港を経由する輸入品について、無関税貿易規定を撤回。香港郵政はこれを受け、すでに米国向け貨物の郵便サービスを停止している。
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