中国の習近平国家主席は28日、ドイツの自動車大手メルセデス・ベンツ・グループ(旧ダイムラー)や高級車大手BMWなど世界の大手企業の経営トップら約40人と北京で会談した。中国が米トランプ政権による関税措置の標的となっている中、外国投資を呼び込む狙いがあるとみられる。
ロイター通信によると、習氏はトランプ政権を念頭に、「広い視野を持って、一時的な混乱に惑わされることなく、世界の産業とサプライチェーン(供給網)の安定性を乱す行動に盲目的に従わないことを願う」と呼びかけた。その上で「中国は外国の投資家にとって理想的で安全かつ有望な投資先であり続ける」とアピールした。
BMWやメルセデス、フォルクスワーゲン(VW)にとって中国市場は依然として重要度が高く、現地企業との技術提携なども進めている。トランプ政権が自動車の輸入関税を導入することで、中国市場の存在感がさらに高まる可能性もある。
一方、中国では1~2月の外国直接投資(FDI)額が、前年同期比で2割減少した。昨年の年間総額は前年比27.1%減の8,263億元(約1,130億ドル)となり、2016年以降で最低となった。経済減速や政府による外国企業への介入が懸念材料となり、投資の引き揚げにつながったとみられる。グローバル企業の間では、サプライチェーンの多様化に向け、製造拠点を中国から移転させる動きもある。
中国国営新華社通信などによると、会談には英国の金融大手HSBCホールディングスや同業スタンダード・チャータード(スタンチャート)銀行、製薬大手アストラゼネカ、トヨタ自動車などの幹部も出席した。
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