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マクロン大統領、核の傘の欧州拡大を議論へ

フランスのマクロン大統領は5日、テレビ演説を行い、同国の「核の傘」を欧州全体に広げるための議論を始めると表明した。米国のトランプ政権がロシア寄りの姿勢を強めていることに警戒感を示し、「米国がわれわれの側にとどまると信じたいが、そうでない場合に備えなければならない」と強調。欧州の結束を呼びかけた。

欧州で核戦力を保持するのはフランスと英国のみ。マクロン氏は核の傘拡大について、ドイツの次期首相候補である中道右派・キリスト教民主同盟(CDU)のメルツ党首から要請があったと明らかにし、「要請に応え、われわれの抑止力を通じて欧州の同盟国を守るための戦略的議論を始めることにした」と述べた。

防衛予算の増額とウクライナへの支援継続も表明し、「ロシアがフランスと欧州にとって脅威となっている中、傍観して何もしないのは狂気の沙汰だ」と力説。ただ、足元では財政赤字が大きな課題となっており、防衛費の増額は容易ではないとみられる。

フランスでは、冷戦下のドゴール政権が米国とソ連から独立した形での核抑止力を確立。国家的自立を目的とした戦略を維持してきたことから、マクロン氏の表明は歴史的転換を意味する。米国科学者連盟(FAS)によると、フランスは世界で4番目に多い推定290発の核弾頭を保有。主にラファール戦闘機と原子力潜水艦による発射を想定している。

英国の保有核弾頭は225発で世界5位。一方、最多のロシアは5,580発、次ぐ米国は5,044発をそれぞれ保有しており、合わせて世界全体の88%を占める。


関連国・地域: ドイツフランスEU
関連業種: 政治

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