英国のセキュリティー・医療機器大手スミス・グループは1月31日、中核事業4部門のうち2部門を売却または分割すると発表した。グループのスリム化を図るとともに、強みである産業技術分野に注力し、売却で得た収益の「大部分」を株主に還元する方針。この発表を受けて同社の株価は約17%上昇し、過去最高を記録した。
スミスはまず、電子部品部門スミス・インターコネクトを年内を目標に売却する。同部門の売却完了後、セキュリティー機器部門スミス・ディテクションを分割または売却する予定だとしている。プロセス工業向けエンジニアリングを手がけるジョン・クレーンと、燃料・油圧管理部品を提供するフレックス・テックの2事業に集中し、グループの持続的な成長と利益率の拡大を実現する。
同社はまた、昨年11月に発表した自社株買いプログラムを、従来の1億5,000万ポンドから5億ポンドに増額すると明らかにした。すでに8,500万ポンドは完了しており、6,500万ポンドは3月末までに実施する。追加分の3億5,000万ポンドについても、年内に完了する見込みだとしている。
ローランド・カーター最高経営責任者(CEO)は、ブルームバーグの取材に対し、「9カ月前の就任以降、あらゆる選択肢を検討し続けた上で今が適切だと感じた」とコメント。2部門を手放すことによる人員削減の規模や時期については明言を避けたが、「適正化に取り組んでいる」と述べた。
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社NNAは一切の責任を負いません。