独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)と、金属産業労働組合IGメタルが昨年末に妥結した団体交渉の合意内容に、必要な場合には週28時間まで勤務時間を短縮できるとする、賃金に関する緊急条項が盛り込まれていたことが明らかになった。DPA通信が15日報じた。勤務短縮による減給を容認するもので、給与補償は部分的なものにとどまるという。
DPA通信が確認した労働協約によると、この緊急条項は、残業時間の削減や、全従業員を政府による操業短縮手当の対象にするといった措置を取った後の、最終手段として適用されるという。
現状の標準の勤務時間は週35時間。これを緊急条項を適用して週28時間に短縮する場合、削減分の最初の2時間の賃金は全額支給するが、3時間目からは減額していく。
団交は昨年のクリスマス直前に妥結した。国内工場の閉鎖計画は撤回されたものの、2030年までに国内従業員の4分の1に当たる3万5,000人超を削減することで労使は合意した。賃金面では、賃上げを実質的に停止することになった。給与カットには踏み込まなかったが、VWは27年に新たな賃金体系へ移行することを目指し、賃金構造の見直しを進めている。[労務]
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