フランスのマクロン大統領は13日、中道政党「民主運動」を率いるバイル元法相(73)を新首相に任命した。不信任決議を受け辞任したバルニエ前首相の後任で、今年に入って4人目の首相となる。バイル氏は政界のベテランとして幅広く信頼を得ているが、最大勢力の左派連合「新人民戦線(NFP)」と第3勢力の極右政党・国民連合(RN)から支持が得られなければ、バルニエ氏と同じ命運をたどることになる。
BBC電子版によると、マクロン氏はバイル氏の任命を巡り、NFPとRNを除くすべての主要勢力と協議済み。ただ、NFPはすでに新政権の不信任決議を提出すると示唆しており、RNもバイル氏がバルニエ氏と「同類」なら、「政権を崩壊させることをためらわない」としている。
バイル氏は政界入りから40年のベテランで、1990年代にはミッテラン、シラク両政権下で教育相を務めた。2017年の大統領選挙では立候補を断念してマクロン氏の支持に回り、同氏の当選に弾みをつけた経緯がある。マクロン氏の当選後、法相に就任したものの、自らが率いる党の公金横領疑惑を受け1カ月足らずで辞任。現在はフランス南西部ポー(Pau)の市長を務める。
同氏は中道左派・社会党のオランド政権を支持したため、同党からは一定の信頼を得ている。また、ルペン氏の大統領選への立候補を支持したこともあり、RNからただちに反発を買うことは避けられる可能性もある。
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