欧州中央銀行(ECB)は12日に開いた政策理事会で、ユーロ圏の中銀預金金利を0.25ポイント引き下げ、3%とすることを決めた。インフレ減速が軌道に載る一方、経済見通しが悪化していることを受け、市場の予想通り今年4度目、3会合連続となる利下げに踏み切った。市場では今後、一段の利下げが予想されている。
ECBは今回、主要リファイナンス・オペ金利と限界貸出ファシリティー金利も0.25ポイント引き下げ、それぞれ3.15%、3.4%とした。
ECBは声明で、「ディスインフレのプロセスは十分、軌道に載った」と述べた。6月の利下げサイクル開始後も毎回、繰り返してきた「政策金利を必要な限り制限的な水準に維持する」との表現は今回は見られず、代わりに「制限的な金融政策の影響は今後、徐々に和らぎ、内需の回復を支える」との見解を示した。景気減速リスクへの配慮と、高インフレ対策からの脱却をうかがわせた。
ユーロ圏経済については、「9月時点の予想より回復が遅れている」とし、来年の域内総生産(GDP)の成長率見通しを1.3%から1.1%に下方修正した。2026年は1.4%、27年は1.3%になるとみている。
ただロイター通信によると、ユーロ圏のインフレ率がなお中銀目標値を上回っていることもあり、市場ではECBがまだ完全な景気刺激策には踏み込まず、2~2.5%の「ニュートラル」な金利水準を目指すとの見方が強い。ECBは今後、数回かけて金利をこの水準まで引き下げると予想されている。
11月のユーロ圏のインフレ率(速報値)は2.3%と、ベース効果もあり前月の2%から加速している。
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