英政府は4日、国営化する鉄道3路線を発表した。11月末に鉄道事業の再国営化法案が成立したことを受けた動きで、サウスウエスタン鉄道(SWR)、c2c、グレーター・アングリアが対象となる。国営化の時期は、SWRが2025年5月、c2cが同年7月、グレーター・アングリアは同年秋を予定する。
英国の鉄道は1997年に完全民営化し、現在は民間企業がフランチャイズ契約で運行する形になっている。ただ、鉄道料金の値上がりや遅延・運休の増加などサービスの悪化が大きな問題となっており、政府は再国営化に踏み切ることを決めた。
今後は原則的に、既存のフランチャイズ契約の終了を機に国が鉄道の運行を引き継いでいく。運行はまず運輸省の事業会社が担当するが、この会社は将来的に、政府が設立を予定する国営鉄道グレート・ブリティッシュ・レールウエー(GBR)に統合される。
政府は再国営化で運営を効率化することで、年最大1億5,000万ポンドのコスト節減が可能になると説明。確保した資金は鉄道サービスの改善に向けた投資に振り向ける方針だ。また、利便性が増して鉄道の利用が広がれば、経済成長にも貢献するとしている。
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