独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の従業員が、早ければ12月2日にも国内全土の工場で、警告ストライキに踏み切る可能性がある。関係者の話を元に、ロイター通信が11月29日報じた。同社と最大の労働組合である金属産業労組IGメタルは、国内工場の閉鎖や賃金を巡り、これまでに3度の団体交渉を実施したが、議論は平行線をたどっている。
IGメタルも同日、組合員に宛てた文書で、「12月初めからストライキは可能であり、必要である」と強調した。労組の「和平義務」は11月30日に期限切れとなり、12月1日以降はストが可能になる。同社の国内拠点で大規模ストが行われるのは2018年以来だという。
VWは国内工場の少なくとも3カ所の閉鎖と、それに伴う大規模な人員削減や給与の10%カットといった人件費削減計画を労組に提示。一方の労組側は、工場を閉鎖せずに雇用を維持しながらも、昇給を事実上停止するなど人件費を削る対案を示している。
IGメタルとVWは9日に4度目となる団交に臨む。IGメタルは、国内全工場の長期的な計画を示さない提案には反対するとしており、合意に至らなければ、無期限ストに突入する可能性もある。[労務]
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